ぼくののうみそ-・x・

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芸能人目撃情報
いつも話題にさせていただいている佐賀県唐津市。俺のふるさとである。
この俺のふるさと唐津では、毎年多数の芸能人目撃情報が話題になる。
中学の頃には吉田栄作、高校になると木村拓哉も目撃されたし、最近ではなんと中村獅童がお忍びで来唐したという。どれもその時代のトップ級芸能人である。

俺の地元は九州有数の観光地。海の幸に山の幸、川の幸に沼の幸と、水のあるところには必ず幸があるほどの幸の多さ。幸に飢えた芸能人がこっそり来ていてもなんら不思議ではないのだ。
それに県内で二番目の人口を抱える大都市・唐津であれば、さすがの木村拓哉も人ごみに紛れ全く目立つことはない。
さすが九州有数の観光地だ。大物芸能人が毎年市内のどこかで必ず目撃されるというのも無理は無い。


と、書いてみたものの、本当にそうだろうか。

九州有数の観光地だったのはいつだっただろうか。さかのぼれば藩政がしかれていた時代にまだ達する勢いだ。観光資源は30年前に「あと30年」といわれていた石油より先に枯渇してしまった。
漁業資源の保全を目的としてそれまで行っていたアユの稚魚の放流をやめ、観光資源としてアザラシの赤ちゃんを一匹、市内で最もデカい松浦川にこっそり放流するという案もそろそろ出る頃なのでは。(松っちゃん計画)
県内二番目の人口が郡部の合併によってかろうじて14万人だから笑わせる。木村拓哉が来ても発見する人が居ないのが現状。さながらオーストラリアだ。
このような過疎のモデル都市に果たして芸能人がプライベートで来るはずがあるだろうか。芸能人はおろか、俺には観光客の姿すら想像出来ない。

しかし不思議なことにこの街ではなぜか毎年芸能人が発見される。
「立神岩で木村拓哉がサーフィンをしていた」
「唐津くんちで吉田栄作を見た」
「ジョイフルの前をダチョウ倶楽部がバスで通った」
どれもこれも微妙なシチュエーションである。

そういえば忘れもしない高校三年の夏、強烈な情報が俺の耳に届いたことがあった。
「キムタクが佐志の女と結婚するらしい」
佐志とは地元の地区名だ。ここまでくるともう言葉が出ない。

こうした数々の芸能人目撃証言の中で群を抜いて多いシチュエーションというのが、上に書いたように、あの吉田栄作さんも目撃されたらしい、「唐津くんち」という祭りの最中だ。
唐津くんちとは唐津市民が一年のうちで最も力を入れるイベントで、その熱狂振り、力の入れようは天皇陛下崩御の年に全国の祭りがことごとく祭りの開催を中止する中、様々な政治団体の圧力に屈せず強行開催したことからも大いにうかがい知れる。
開催中の三日間に60万人ほどが訪れ、その経済効果は俗に言う「おたく」市場に肉薄する、2,500億円だといわれているから侮れない。

小さな街を豹変させる熱狂の三日間。まさにこの熱狂の中で一年の大半の芸能人が目撃されるのである。
祭りの最中、行き交う人の声を聞けば、ときどき「氷川きよしが来てるらしいよ」「フジテレビが○○さんの家に取材に来たらしい」などという話が聞かれる。
俺も中学生の頃は本気で「吉田栄作がいる」という噂を信じていたものだ。今でこそバカ話にしているが、当時は真剣だったし、その噂が妙に説得力を持つほどに俺には巨大な祭りに感じられた。
勿論こういった感覚は俺だけが持っていた特殊なものではなかったはずだ。高校生辺りまでは皆こうした噂を完全に否定し切れなかったのだ。

隣県福岡に行くとき以外は、滅多にこれほどの人の数を見ない素朴な唐津ティーン。日ごろ馴れ親しんでいる自分の街が突然ありえないほどの人で埋め尽めされる様を見て「これなら芸能人がいてもおかしくはない」という願望を色濃く含んだ予測を皆立ててしまうのだろう。
そして巨大に膨れ上がった彼らの願望に針を刺すようにふと誰かが一言「見た」というとそれは爆発するように一気に広がってゆくのだ。あたかも誰かが言ってくれるのをまっていたかのように。

俺も高校の時には広がるという確信を持って「V6の三宅クンがいた」と言う噂を流した。「三宅クン」というのが妙にリアルで憎いではないか。案の定噂を流した現場から近いコンビニで男が「三宅クンを見た」と興奮気味にいっていた。笑いが止まらない瞬間だ。
おそらくこれは、「高杉晋作を見た」とか「宇宙人を見た」とか「ジュディマリのジュディを見た」とか、ありえないことをいわない限りは大概広がるのかもしれない。

「氷川きよしを見た」と最初に言ったやつは、本当は地元が生んだビッグな演歌歌手「西方裕之」を見たのかもしれない。
「フジテレビを見た」といったやつだって本当はフジテレビ系列の「サガテレビを見た」はずなのだ。

最後にこのメカニズムを分かりやすく表した一つのモデルを紹介して話の終わりにしたい。

ときはある年の唐津くんちの最中。今ここに、唐津ではあまり目にすることの無い白人の外国人に遭遇したある一人の少年がいるとしよう。目の前には一人の長身金髪美女の姿。彼は思う。「あげな外人初めて見たばい みんなにも教えよう」
一人で行ってきたトイレから友達集団に戻る彼。滅多に見ることの無い外国人が居たことを友達に言おうとする。
しかし、自分を含んだ唐津みんなの願望が真実を語ることを彼に許さない。彼はためらいつつもはっきりとこういうのだ。

「神社に、、オ、お、オードリーヘップバーンがおったぞ!」


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| fabricio zukkini | 思い出 | 20:15 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
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佐賀は、はなわのおかげで、有名になったね!タテガミにいたのわ、きっと・・・・・・・・・・・・・ホリ??
| 佐志ん静香 | 2006/11/10 10:40 AM |
>佐志ん静香さん
貴重な地元の人からのコメントでうれしいです
今年はあのへんに注射器が流れてきたらしく盆後のクラゲとの二大共演が見られたらしいですね。
今年は浜崎海岸で初めて体を焼きにいったのですが見事にヤケドしました。
ビギナーは西の浜にしておくべきだったのでしょうか。
| zukkini | 2006/11/12 12:17 PM |
おまえは自虐的な人間だな〜(^^)
もう唐津に帰って来るな。
| 唐津の通りすがり | 2008/06/26 8:33 PM |
全く自虐とは違うんですが、わざわざ読んでくださった上コメント&面倒臭い認証番号入力までしていただいたのでそんなこと言えません
これからもどうぞよろしく!
| zukkini | 2008/06/26 9:03 PM |









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