ぼくののうみそ-・x・

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万引き、そしてその逆
皆さんは万引きをしたことはあるだろうか。
恥ずかしながら俺はある。中学生の頃、額は小さいものの、悪い友達と付き合う中で断りきれず、何度かやってしまったことがある。
県下有数の生徒数にして、市内でも有数のヤンキー輩出校に通っているとそういう誘惑からは逃れられない。というのは自分の弱さへの言い訳だが、ワルぶることがカッコイイとされた中で、友達付き合いが世界の半分を占める中学生の俺にはそれを断る勇気が無かった。
俺に限らずあちこちで結構盛んに行われていたわけだが、多分みんなモノが欲しかったわけではなく、友達を無くすのが嫌だったというか、そもそもそんなモン友達というかどうか怪しいところだが、そういうばからしい動機で事に及んだ人も恐らく多い事だろう。

とまあ、過去の万引き経験を反省する記事にしたいところだが、本題はそこには無い。だけどやったことがあるというのは事実なので、この場を借りて謝りたい。ごめんなさい。
先ほど冒頭で万引きをしたことがあるか、という問いかけをしてみたが、今回のメインテーマは、その逆の経験はどうだろうか、ということ。その逆、というと、「万引きをされたことがあるか」と考えてしまうのが自然だが、ここで聞きたいのはそうでない。

万引きが、こっそりバレないように店のものを懐に入れる行為、だとすれば、その逆はそのまま、懐に入れていたものを店にバレないようにこっそり置くという行為に他ならず、俺は万引きに手を染めた中学時代、そこから足を洗ったあとに罪滅ぼしのつもりかなんなのか今となっては全く理解不能なのだが、家から結構離れたところにある小さな駄菓子屋に通っては、時々、他所で仕入れた品物を納品し続けていた。

ここで言う「仕入れ」とは決して万引きによってただで手に入れた汚れた商品のことではない。
その品物は自分で買ったものであり、他所で盗んで来た汚れた商品を勝手に陳列することで何かトラブルになる可能性というものも中学生のくせに考慮していたのだ。そこまで考えられる子がなぜそんなことを・・・・、そこが中学生がイルカと並んで宇宙人とコンタクトの取れる数少ない存在だと言われる所以。中学生の行動には説明が付けられないのだ。

「仕入れ先」は駅前商店街にあったスーパーだった。
当然ながら小さな駄菓子屋とスーパーでは置いてある商品が全く違う。スーパーと駄菓子屋じゃなくとも、店同士が違えば当たり前のこととして、本来そこに無い筈の商品が俺の手により次々と納品されることとなった。

かつては万引きにも手を染めたことのある俺。やってみると実はその逆はもっと難しくスリリングであることが分かった。
そもそも、陳列されている商品をこっそり手に取り持ち出す万引き。これは作業の途中までを考えると通常の買い物と同じ手順を踏んでおり、入り口だけを見れば至極簡単だ。
その後のバッグなりポケットなりに入れるという作業にはテクニックや経験が必要なのかもしれないが、そこに及ぶまでの動作がこのように買い物客として店にやってきた者であれば誰しも行う行為であるから、ちょっとした誘惑や出来心で今でもこれを犯す人が後を経たないのかもしれない。

ではその逆、今回話題にしている「店にこっそり置く」の場合はどうか。スタートの時点から既に勝負である。
あなたが駄菓子屋の店主だとして、買い物客が突然懐から商品をサッと出したらどう思うか。菓子を買いに来た筈の駄菓子屋で、ポケットからコッソリ駄菓子を出す。まあ、不審者以外の何ものでもない。
つまりこの最初の「ポケットなどから品物を出す」という行為がもの凄く難しく、目撃されたらその時点で不審者決定の、入り口にして最難関なのだ。
出したお菓子をを当人の私物だと思ってくれればまだ良いが、「おや、盗ったな!」というネガティブな誤解なんてされることも考えられる。
仮に私物だと思われても、それをただポケットから出しているのだから良いじゃないかと思うが、本題はポケットから出すだけではなく、それを陳列し去ること。
私物かと思ったチューインガムをだ、そいつが食べるでもなくおもむろに陳列しようとしたら、それはちょっと詳しくお話を聞いてみなければならないだろう。
駄菓子屋はもの凄く狭い。一度目を付けられた客の行動は、店主によって一部始終を見届けられるようなスタイルになっているのだ。
なんであれ、最初に不審だ、と思われればそれはもうこのミッション失敗のサインと考えたほうが良い。


話を件の駄菓子屋へ戻してみよう。
その駄菓子屋をやっていたのはお婆さんだった。ある日を境に突如としてやってくる値段不明、仕入れた記憶の無いお菓子の数々に、きっと戸惑ったに違いない。
なんせ一種類につき一個しか無いお菓子が多い事。目的不明のネズミ小僧の手によって、小さなあのお店のお菓子コーナーは開店以来、未曾有の多品種少量を極めていた。
値札が付いてない上に身に覚えが無ければ「これ幾ら」と聞かれても「それはなに」としか答えられまい。
本当にすいません。

先ほど「決して万引きによってただで手に入れた汚れた商品のことでは・・・」と書いたが、実は何度か悪事を介して仕入れた『汚れた品』も納品している。隠しててすいません。
ただこれは俺が直接万引きしてきたものではなく、当時同じ部活に居た万引き常習者の二人(後に補導)から「Take Action!その理念に共感した!」と協賛された結果手に入ったもので、具体的な品名としては、ターボライター、バッグ、さらには整髪料と、俺が「駄菓子屋」と説明したのに全くもってそれを無視したラインナッッップ!

だけど貰ったからには納品せずにはいられない。
幸か不幸かターボライターは1個だけじゃなかった。どこからどうやって盗んで来たのか分からないが、10個かそのくらいの数のターボライターが陳列用の簡易的なケースに立って入った状態のものだった。
これはさすがに一人では無理では、ということで先の犯罪少年二人と協力して何とか見えないように、アイス用の冷蔵庫の上に無造作に置いた。アイスで冷えたからだをターボライターでホットに、という提案というわけではないが、そこしか空いてなくて置いたというより乗せたと言う感じ。ごめんなさい。

次にバッグ。バッグは貰ったもののこれこそさすがに無理だということで、これが実は最もスリリングな行為なのだが、彼らが盗って来たというお店に、全く無関係の俺がまた返しにいくという難易度Aの荒業に挑戦。
その店の奥さんが俺の母親の友達というサイドストーリーも手伝い、かなり緊張したが何とかミッション成功。背負って来たバッグが帰りには消えているというマジック。
良い事をしたのかなんなのか良くわからない気持ちになったが、取りあえず逃げた。ごめんなさい。

最後の整髪料はマンダムか何かのハードなムース(中学生が好きそうな)だったのだが、これももう置くのは絶対に無理だということで、後から考えればこれこそ難易度Aだったのかもしれないけど、駄菓子屋の店番しているお婆さんに話しかけ、「あのう、これ、おじいさんに使ってもらって下さい」と渡した。
お婆さんは笑いながら「もういないよお〜」

ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。

遠い昔の話だ。
| fabricio zukkini | 思い出 | 15:00 | comments(6) | - | pookmark |
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どうも、はじめてコメントさせてもらいます

ぼくが高校生のときの話ですが
大型書店に置いてあった高い学術書みたいなのが欲しいのに買えなくて、万引きしちゃったことがあります

その夜、必要なところだけコピーしたりノートにとって、次の日こっそり本屋の棚に戻しました
そのときは返したから犯罪じゃねえよなって思っていましたが、完全に犯罪ですね
ほんとうにすいませんでした

その本が江戸時代の文化研究書だったんですが、なぜ高校生のぼくがこんなものを欲しがっていたのかが、全く思い出せません
| フカホリ | 2009/02/24 12:03 AM |
現代で言うところの、写メで本を撮って買わないのと同じものでしょうか。
ただ、盗る→返す、という二重のリスクをおって行った行為なので写メなどと比較すると何か崇高な感じがしてしまいます。

フカホリさんが「江戸の本」という隠語によって、それが実際は「江戸本」→「エロ本」だったことを伝えたかったということは俺にだけはわかります。
| zukkini | 2009/02/24 11:36 PM |
そういえば、小さい頃はじゃんけんグミを使ってジャンケンをして負けたら負けた方のじゃんけんグミを勝った者が食べるというゲームをしてました…何故にじゃんけんグミで?と思いつっ10連勝したのを覚えてます。不毛ですね。
| ママレード・ボーイ | 2009/02/25 5:56 PM |
「そういえば」にだまされそうになりましたが実は万引きの話と一切関係の無い思い出話、おいしく頂きました。
| zukkini | 2009/02/25 7:53 PM |
こうやって人の話題を万引きして、どうでもいい話を置いてしまいすいませんでした。
本当にごめんなさい万引きについては昔、証拠を消すため飴を包み紙ごと食べた記憶があります。

| ママレード・ボーイ | 2009/02/26 7:36 PM |
店の中で売り物を食う、というのが一番バレない方法だとトバちゃんという人が言っていました。
どちらにしろ万引きは犯罪です。
| zukkini | 2009/03/01 11:14 AM |
















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