ぼくののうみそ-・x・

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ある集団いじめ問題
中学2年の頃の話である。

俺を含めた男子生徒十数人は固い板張りのフロアにかれこれ30分近く正座させられ、伏し目がちにジッと青木先生のジメジメした中身のない説教を拝聴していた。
初めは「生徒指導室」なる小部屋で行われたその集会も、想定していたより人数が多すぎてとても入りきれない、という理由から教職員用の「会議室」と呼ばれる、生徒はなかなか入る機会のない場所へ移されていた頃である。

我々男子生徒がここにいる理由、説教を受けている理由は、ある一人の女子(ケイ子と呼ぶことにする)に対する我々男子生徒の「集団いじめ行為」に加担したという名目からである。
2年6組と7組、隣り合う二つのクラスにまたがるいじめ犯人の一斉摘発もひと段落し、今行われているのは「なぜこんなことをしたんだ!」という確認・凶弾会なのであった。

*****

「いじめ」とされる問題の、主な舞台となったのは2年7組だ。俺はその隣、6組の生徒であり、この凶弾会にはそういうわけで遅れて参加してきた数名のうちの一人であった。

昼休みも終わりかけの頃、教室にいた俺を背後から呼ぶ声があった。

「おまえ、ケイ子の悪口を言ったことはあるか」

「無いです」と言うか言わないかというタイミングで「バカヤロウ!」と予告無しのハリテをカマしてきたのは、かつて「ヤンキーの語源は、ヤクザに近い→ヤン近説」を唱えて世間の喝采を浴びた極右教師・ナンリ先生である。
悶絶する俺に対し、ナンリ先生は吐き捨てるようにこう言った。

「一階の会議室に行ってこい」

名誉のために言わせて貰うが、ここにいる男子は誰もいじめをしては居ない。
大半は、むしろケイ子によるアコギな誹謗中傷の被害者なのである。

一番の被害者は当ブログのリンク先として、金環日蝕のある年だけ更新するローペース・ブロガーであり、俺とは中学時代からの友達でもある、スンギ派さんだ。
ケイ子さんの攻撃対象になるのは、同じ7組に所属した、中学時代特有のヒエラルキーの下層にある男子生徒である。
イケてる、イケてないで分けると完全にイケてない世界に生きる男子生徒をゴミのように扱い、「コッチミンジャネーヨ」的な罵声を浴びせていたのは有名な話。
(スンギ派さんが下層でイケてなかったと間接的にdisってしまいましたが話を進めます)

ガタいが良い上、口が達者で気も強く、反論でもすれば仲間の女子を呼んで集団で攻めてくるという、ゲーム終盤で出て来そうな中ボスのようなケイ子。
今回「集団的いじめ行為だ!」と断じられているのは、ケイ子からの一方的な敵対行為に対して、ただ男子生徒が団結してNoをつきつけただけのことなのである。
それはもう、すこぶるささやかなものだ。ケイ子とかかわらないように避けること。誰かがケイ子に不愉快なことを言われたら共に闘う、という実に中学生らしい対処法だ。
別段何も悪いことではないのだが、それを「アタシ、集団でいじめられている!」と騒ぎ出したのだから意味が分からない。

そういうわけなので、渦中の7組とはまったく関係のない俺がこうして会議室に呼ばれたのは、容疑者連中の中から密告者が現れた為だ。
俺のような隣のクラスの男子など特にケイ子との接触はなく、ただ彼女の悪名は隣のクラスにも届いていたため、掃除の時間に「ひでえなあ」「許せんなあ」と同調した程度である。

それが「アイツも確かケイ子の悪口を言っていました」であるから恐ろしい。

そのときすでに逮捕条件は「あなたは、ケイ子さんの文句を言ったことがありますか Yes or No?」というところにまでハードルが下げられ、それがこの件での逮捕者を激増させる要因になったというわけ。
指定された「会議室」に入ると、まるで記者会見でも開くように長机に並んで座った青木先生とケイ子の姿。ケイ子の目は腫れ、涙でぬれている。
各地から「ケイ子をいじめた」という名目で集められ、次々に入ってくる男子の多さを見てショックを隠しきれないケイ子を横目に、青木大先生は容疑者が全員出揃ったことを確認すると開会の挨拶とばかりに一言。

「では、最初にみんな一人ずつ、ケイ子さんに謝れ!」

ええええーー!である。
そこから先はアイドルのサイン会のようなスタイルでケイ子の前に一列に並び、「悪口をいって、すいませんでした。」「うるさいブタ、と言い返してすいませんでした。」「罵声を浴びせられたのに、返事もせずムシしてすいませんでした。」と順番に謝罪。
そのひとりひとりをキリッと睨み、威嚇してくるケイ子。お焼香に似た、不思議な時間の流れ方だった。

「ではここで、ケイ子は一旦、保健室へいきます」

お色直しのノリが妙にイラっとする。
青木による意味の分からない司会進行はなおも続き、お次は第二部とばかりに、「なぜこんなことをしたのか」というディスカッション・タイム、その次は「なぜいじめはダメか」の白熱教室タイムと続く。その間全員、板張りにキープオン正座である。

最初は真剣に青木先生の「No More IJIME」講座を聞いていた男子生徒一同だが、足の痺れと共に徐々に集中力も途切れ、徐々に落ち着きが無くなり始める。
その結果、である。今まで真面目に話を聞いていた為か全く気づかなかったのだが、キョロキョロしだして始めて、我々はある衝撃の光景を目の当たりにするのであった・・・・!






「でろり。」

それは股間に浮き出た見事なイチモツ。長机の下で退屈そうに横たわる、世にも誉れな青木のイチモツである。

≪デカい、デカいとは聞いていたがここまでけしからんサイズだったとは・・・・!≫

同じタイミングで気づいたのだろう。ニヤリとしたスンギ派さんと目が合う。
皆、徐々に青木のイチモツの寸法、平たくいうとチンポのデカさに動揺し、ノーモアイジメどころではない。
そこから先は、青木センセーの話が全く入ってこない空白の時間。みんな青木のチンポを眺めながらぼんやり過ごしたわけである。

「何で生徒を説教するのにそんなにチンポがデカい必要があるのか」

説教終了後、皆口々に語り合ったものだが、実にごもっともな意見であると思う。


******


その後の話だ。

「男子を見返してやる!」という強い決意の下、元々少しふくよかだったケイ子は翌年の夏休みに壮絶なダイエットに挑み、そして彼女はそのチャレンジに勝利した。
細くなって我々の前に現れたケイ子は思いの外可愛く、「だ、だからなんだ・・・!」と我々を酷く動揺させたものである。

卒業写真には見事に痩せて自信に溢れた表情で写って見せたケイ子だったが、残念ながらツメの甘さが露呈し、痩せる前に撮影された、よりによって弁当を頬張るたくましい写真が別ページに堂々のスケールで掲載されていたことから、「正義は勝つ!」と我々を勇気付けたものである。
今彼女は何をしているのだろう。



| fabricio zukkini | 思い出 | 19:04 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
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居ました居ました!ケイ子さん的女子!
zukkiniさん大変でしたね〜。

僕は社会人になったらそんな女子も変わるのであろうと
思っていましたが、甘かったです。
社会に出るとそんな性格のおっさんも居るから
世の中面白いです。
| ひつじ | 2012/06/10 8:16 PM |
僕も一度だけですが職員室の前の廊下で正座をさせられた思い出があります。行き行く先生方に見られながらの正座はキツかったです!
| しゅう | 2012/06/11 8:24 AM |
下層とはまた随分と言われたものですな。
ケイ子はヤンキーだってお構いなしだったぜ。もう一人のメイン被害者タナカに至っては
『タナカ君、ずっといい人だと思ってたのに・・・わーん!』
って泣かれたんだぜ。ひどいもんよ
| sungi | 2012/06/12 12:31 AM |
>ひつじさん
うちの会社にも物凄いのがたくさんいます。
ガチで悩みの種です・・・・

>しゅうさん
バケツをもって立つという漫画のようなことをしたことがあります。
やってみたくて志願したのですが・・・

>スンギさん
なに、ヤンキーにもお構いなしだった記憶はなかった とんでもないやつだな
タナカ事件はひどかった!

ボクはケイ子ちゃんの友達と付き合っていたからあまり被害を受けなかったけど、だからこそ会議室に入ってきた瞬間「えっ!あなたも!」的な顔が悲痛だった

| zukkini | 2012/06/13 10:37 PM |
まるでフランス革命時のような空気感ですね。被密告即死亡
| ピエール | 2016/03/06 12:24 PM |
弱いとされるものが弱いがゆえに無敵になるパターンです。
| zukkini | 2016/03/13 2:48 PM |









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